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長野県有機農研の会報に掲載した文章

1月7日

私が所属している長野県有機農業研究会の会報に載せてもらった文章です。
今出ている号から『阿智村便り』ということで、阿智村に就農した会員がこれからリレーで書いていきます。



有機農研内で阿智村に新規就農が続いていることが注目されているということで、編集から阿智村にページを与えるので好きなことを書いていいという有難いお話をいただき、第一回目は年長の私が書かせてもらうことになりました。

人生の折り返し点30代なかばに長野で百姓になり、最初の10年間は大鹿村で田畑を耕していました。その後、獣害で大鹿村から今の阿智村に移りました。東京を出る時、百姓になることが次の世代に少しはましな社会を残すことにつながるだろうという想いがありました。
そして50代も後半になり、同年代の仲間やまわりの親しい人たちが相次いで亡くなっていくのを眼にして、自分もそろそろ人生の終末をどう迎えるかということについても真剣に考えなければならないと思い始めました。力足らずで想いが叶わないのは仕方がないこととしても、いつ人生の終わりが来てもいいような生き方を今自分はしているか、ということを考えながら生きています。
『世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない』『地球的に考え地域的に行動する』という二つの言葉を頭の両脇に置きながら、阿智村から全体を変えるべく新規就農の課題に取り組んでいます。

阿智村の新規就農の今までの取り組みはすでに会報に書いていますので、そちらを参考にして下さい。
その時に書いた京都の若い二人については、阿智村への移住がほぼ決定しました。二人の最終目標は果樹園下での自然養鶏だそうです。
その後、長野県に移住して自給農業を営む有機農研会員のご夫婦から阿智村への移住の相談がありました。せっかく長野県で田舎暮らしを始めたのに、奥様の方が農薬と電磁波に体が反応してしまい、その心配のない山中での生活をしなければならず、これから適地を探していきますが、村内に見つかればいいなと思います。

村の10年先、20年先の農業を考えた時、現有勢力では農地を維持することは不可能です。70代、80代は今は現役ですが、近い将来必ず農業をリタイアします。その時、子供たちが農地を引き継げば問題にはなりませんが、それは状況が大きく変わらない限り無理でしょう。ですから、ここ2年くらいの間にIターン、Uターンで阿智村に新規就農した若者の存在は大きいのです。
村が支援制度を設けて積極的に新規就農者や移住者の受け入れをしていることについて村内外から疑問の声がありますが、では何も対策をとらないでさらに高齢化が進み、その結果集落が維持できなくなったり、荒廃農地が増えてしまっていいのでしょうか。阿智村の場合、中心地区を除いて多くの地区は傾斜地で、しかも人口減少地区なので、農地は農地としてしか利用のしようがないのです。
どこかの地域のように農地がパチンコ屋や、ショッピングセンター、マンション、駐車場などに転用できて新たな価値?を生み出せば、それはそれでいいのでしょうが。
新規就農の若者が住む集落は、村の平均よりも高齢化が進み、荒廃農地が多い地区です。彼らが住むことによって集落の維持機能は高まり、高齢化率は下がり、荒廃農地が復興されます。それは、お金に換算されない大きな価値を作りだします。問題を放置しておいて、事態が今より深刻になってからいざ財政出動をしようとすれば、今よりも多くの費用がかかり、やろうとしてもふところにそんな余裕はないでしょう。
今、村が移住者に行っている支援は、それを補って余るほどの大きな効果をもたらしています。

阿智村には自給から専業までの有機農家で作った「どろんこ道」というグループがあり、圃場見学や勉強会、懇親会など販売活動以外何でも自由にやっています。
11月12日に、このグループで芋煮会(収穫祭)をやりました。参加者は大人26人で、子供を入れると30人を超える人が集まりました。新規就農者を中心に、新規就農者・移住者を積極的に受け入れる村の方針のもとで熱意を持って仕事をしている職員、地区の農業委員、阿智村担当や有機農業、新規就農担当を配置している普及センター、そして、村という範囲を超えたところでの仲間として近隣の有機農研の会員が参加しました。有機農業関係でこれだけの人数が集まったことは、阿智村でこれから有機農業が広がりを持って発展していく上で大きな意味があることだと思います。しかも参加者の中で58歳の私が一番年上だったので、私としては大変ショックでしたが、他の参加者の年齢が若いということは、それだけ未来があり可能性に溢れているということです。

さらに、有機農産物を販売するためのグループも作られました。5軒の有機販売農家が集まって、それぞれが独自に販売先を開拓しながらも、グループ化のスケールメリットも活かして共同で販売していこうというものです。来年から少しずつグループ出荷に取り組みながら、有機農産物のパイを増やしていくことに挑戦していきます。

今年の8月、阿智村への移住を決めた仲間が小さな子供3人と奥さんを残して交通事故で亡くなりました。新しい人生を始める直前に亡くなってしまうとは、無念だったと思います。
私は、彼の思いも背負って生きることになります。長く生きていると、亡くなってしまった人の思いも自分の思いに重ねて生きることになります。

次は、若い仲間のピチピチした原稿が掲載されるはずですので、乞うご期待。
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プロフィール

市川勝彦

Author:市川勝彦
長野県阿智村で有機農業をしているオジサンです。長野県有機農研新規就農相談窓口。長野県里親農業者登録。郵政ユニオンOB。体の半分は福島人。今年新たに始めたのは被災地支援米プロジェクトと、原発を止める活動。原発が必要と思う人は、自分の家の隣りの原発が事故を起こしても甘受しますか。農村から都市を包囲せよ!

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